駒交換


駒交換はゲームに影響を与えることが多いです。この記事では駒交換をすべき時
避ける時、テンションを保つ時などについて考えていきます。戦略例の スペース から
クイーン 2 までの内容と重複するものもありますので、復習としてご覧ください。

駒交換のタイプ

ピース同士の交換
ポーン同士の交換
Tactics に関連した交換
Strategy に関連した交換
など

Tactics に関連した交換は例えば、駒得になるもの、メイトにつながるもの、などが
あります。Tactics に関連した交換についてここでは扱いませんので、Tactics に
関連した本などで学んでください。

駒損してもその代償に有利な状況を得る ポジショナル サクリファイス については
先の記事で扱います。


駒交換の判断

駒交換をする時、何も考えずに交換したり、不要な駒交換は避けたいものです。
次の3つを考えてから交換しましょう。

1. 交換の理由
交換する時は理由を考えてから行いましょう。例えば、交換後、相手に弱いポーンが
できる、相手の Good Bishop と 自分の Bad Bishop を交換して有利を得る、など。交換を避ければ不利を招くというのも理由になります。

2. 交換すべきか?
交換をすることで何かしら有利を得るのであれば交換すべきですし、不利となる ( 相手に有利を与えてしまう ) のなら交換を避けるべきです。また、すぐ交換せず、テンションを保つことが良い場合もあります ( 白黒どちらからも駒を取れる状態を保っておく )。

3. 交換の影響は?
交換の理由を考えた時点でこのことも分かっている場合が多いですが、交換後、どのような影響が出てくるか考えておきましょう。自分のゲームを見直す時や、マスターのゲームを見て、駒交換がゲームにどのような影響を与えているか注目してみるのも良いでしょう。

続いて、覚えておきたい戦略的な駒交換を順に見ていきましょう。


単純化

自分が相手より、ポーン1つ多い、マイナーピース1つ多いなど、マテリアル ( 駒の損得 ) で有利を得たなら単純化を考えましょう。

有利を得ていればピースを交換し、不利ならポーンを交換する

これについては クイーン の記事でご説明しましたので、詳細は省略させていだだきます。


スペースに関連した交換

まずは、スペースの優劣を判断できるようになり、スペースで有利を得ているならば
ピースの可動性が高いため、有利を得る理由がなければピース交換を避け、ピースを
活用することを考えましょう。

スペースで劣っているなら、ピース交換を行い、相手の有利を減少させる。ただし、交換の影響をよく考えてから交換しましょう。 また、スペースに影響を与えている相手のポーンをポーン交換により除去する場合もあります。


相手に Bad Bishop を残させる

Bad Bishop が残るとエンドゲームで不利となることが多いので、相手に Bad Bishop を残させることを意識しましょう。次の項目と関連しますが、自分側には Bad Bishop が残ってエンドゲームで不利となることを回避したいです。自分側に Good Bishop が残ることも考えると良いでしょう。


Bad Bishop の交換

自分側の Bad Bishop を相手の Good Bishop 、または ナイトと交換する。

Bad Bishop でも Bishop がなくなることは ビショップペア の利点を失うので、ナイトと交換する場合は、交換後 相手に弱いポーンができる、閉じた局面を保てる、など利点があれば良いですが、Bad Bishop を相手のナイトと交換しその後、オープンな局面になる場合は、ビショップペア の相手が有利となる可能性が高いため、そのような交換は避けた方が良いでしょう。


ビショップペアを保つ

ビショップを交換することはビショップペアの利点を失うため、ビショップを交換することで何かしらの利点を得るのでなければ、ビショップペアを保ち活用することを考えましょう。

ビショップを交換したくなくても交換を避けられない、という場合もあるでしょう。
Bad Bishop であっても何の利点もなく相手のナイトと交換してしまうと、ビショップペアの利点を失い不利となることも多いです。ビショップが後退場所を失うと、相手のナイトと交換を避けられないこともあるので注意しましょう。


エンドゲームを考えた駒交換

駒交換により様々な影響が出てきますが、駒交換がエンドゲームにどのような影響を与えるか、常に考えるようにしましょう。その駒交換を行うと、エンドゲームで有利となるならした方が良いでしょうし、不利となるなら避けた方がいいでしょう。ただし、その駒交換でエンドゲームは有利になると思っても、ミドルゲーム次第であったり、エンドゲームの実力も問われます。


駒交換に関して他にも様々なことが考えられますが、まずは上記のことを考えるだけでも勝率が変わってくるでしょう。


マイナーピース1つ に対し、ポーン3つ の交換

時々その機会があります。駒の価値をポイントとして見ると、3 対 3 で同等ですが
Understanding Chess Middlegames - John Nunn によると 
ポーンがあまり前進してない場合はポーンの価値が低いため、そのような場合は何か他の要素が加わらないと、ポーン3つ よりマイナー ピース1つの方が価値が高いようです。


マイナーピース2つ に対し、ルーク と ポーン の交換

これも時々その機会があります。駒の価値をポイントで見ると 6 対 6 なので、始めは自分のマイナーピース2つ に 相手の ルーク と ポーン を交換してしまうかも知れませんが、マイナーピース2つの方が価値が高いことが多いです。エンドゲームでは大体同等のようですが、交換する場合は状況をよく考えて行いましょう。

マイナーピース2つに対し、ルークを交換する場合もあります。この場合はマイナーピース2つの方が価値が高いでしょう。ただし、2R vs. R + マイナーピース2つ の状況では、マイナーピース2つを活用させることはなかなか難しいです。


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